ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト 及び Bccの皆さま

先日、自宅の鉄クズをリサイクル業者に預けたら、放射性物質に汚染されていると返品されました。


南相馬市の小澤です

2014年3月16日放送、Eテレ「福島 科学と人間の地図~原発事故から3年~」について

NHK大森ディレクターとは、放送前からずっと交渉していたのですが、
(1) ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクトの名称が出てこなかったこと。
(2)住民報告会の映像が出てこなかったこと…国や行政が一部の計測値しか公表しないなか、私たちは、きっちりと実施。
(3) 岡野さんの測定機器と同様な結果が得られる連続計測機器として、ギョロガイガーや楢の木GMCを詳しく説明したのに取り上げられなかった。
などのことが残念です。

3月12日、担当ディレクターにメールを送っていましたが、受け入れられなかったことが残念です。私たちは50mメッシュで、地上1mの空間線量率の他にも地面の表面計数率:cpm(換算値は表面汚染密度:Bq/m2)も1地点につき5回計測して平均値を出しています。そのようすは映像にも出てきました。その知見から生活上やってはいけないことが見えてきます。そのことを担当ディレクターには理解できなかったようでたいへん残念でした。
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NHK大森さん

 小澤です

3月8日に放送されたETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から3年』の編集方針について、「福島市渡利地区の保育園での放射線モニタリングを取り上げたので、同じような活動をしている南相馬市をオンエアから除外した」と言われたことについて、私は放送前から彼らと私たちは真逆の立場なので問題があると申し上げておりました。私は、汚染地域で子どもたちが住むことは不可能だと考えているからです。

再放送の3月15日(土)午前0時45分(金曜日深夜)は止むを得ないとしても、現在製作中とされる、16日午後3時の番組では、次のような場面をカットすべきだと提言いたします。

保育園の散歩途中に子どもたちが素手でコンクリートに触れる場面がでてきます。子どもたちがガードレールや手すり、ブロック塀に触れながら歩くのは当たり前のことですが、これだけ放射能に気を使っている保育園であるとすれば、NHKがこのような映像を流すべきではありません。

私の家のコンクリート製の橋の場合3,020cpmです。表面汚染密度のベクレルに換算すると9.3Bq/cm2=93,000Bq/m2になります。1,300cpm=4Bq/cm2=40,000Bq/m2は放射線管理区域の境界値です。原発構内では汚染物に素手で触れたり、座ってお尻を密着させるようなことはあり得ません。しかし、フォールアウトした放射性物質は至る所に固着しており、これまでの生活習慣を踏襲すれば、密着による被ばくを免れることはできません。避難をしない、できない状況では、全く異なる規範で生活していくことが必要だということです。

先日、自宅の鉄クズをリサイクル業者に預けたら、放射性物質に汚染されていると返品されました。車や部品なども、線量計を当てて0.25μSv/h(以前は0.3μSv/h)でアウトです。自宅で計測しようにも、除染後の地上1mが0.5μSv/h、バックグラウンド値が基準値の2倍の所に住まされる悔しさが湧き上がってきました。物がダメなのに人間が住んで大丈夫だとは、あり得ないことだからです。

別の手立てとして、表面汚染計で計ってみました。バックグラウンド値は150cpm、対象物は300cpmでした。除染前のバックグラウンド値は400から500cpmでしたから、シートベルト以外の評価で考えると、これまでの被ばくの凄さが実感できました。

リサイクル業者の驚きは半端ではありませんでしたので、もっと知ったほうがいいと他の物を計測して見せました。アスファルト面が2,000cpm、コンクリート面が3,000cpm、庭石が5,000cpmと返品スクラップの10数倍の汚染には改めて怒りを感じました。最後にとなりの家のブロックを計って見せました。25,000cpmオーバーにリサイクル業者も言葉を失ったようでした。

私たちのモニタリングを再確認してみてください。地上[1m]はγ線(β線は含まず)の放射線量[μSv/h]を計っていますが、同時に[1cm]ではβ線(γ線含む)の表面計数率[cpm]を計測しています。地上1mの放射線量が0,1μSv/hであっても、地面は放射線管理区域である場合が多々あるからです。放射能による汚染密度はBq/m2、汚染濃度はBq/kgで表すように、汚染とはBq(ベクレル)を指します。

【1cm線量当量と70μm線量当量】

1センチメートル線量当量 (09-04-02-06) - ATOMICA -
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-04-02-06

皮膚放射能汚染モニタリング (09-04-07-08) - ATOMICA -
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-04-07-08

外部放射線モニタリング (09-04-06-02) - ATOMICA -
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-04-06-02

外部被ばくにおいて、γ線による人体への影響は皮膚下1cmで評価しますが、β線による人体への影響は70μm線量当量で評価します。70μm=0.07mm(コピー用紙程度の厚さ)線当量は、皮膚、手と前腕および足とくるぶしの表面から70μmの深さの線量を測定・評価する際に適用されます。眼の水晶体の評価にも使われます。

放射性物質に直接接触すれば体に付着して、手足を含む体中の皮膚下がβ線の影響を受けます。β線の飛距離は短いから、外部被ばくの影響はなく内部被ばくだけが問題だと平気でいう御用学者がいますが、それなら70μm線量当量の基準はなくてもいいはずです。

根拠として、南相馬市立石神第二小学校内の正門近くで教員立ち会いのもと、次のような実験結果を得ています。地上1cmが4,000cpm、地上20cmで約1/2、地上30cmで約1/3、地上40cmで約1/4、また、地上1cmにコピー用紙を1枚挟んだら約10%減、2枚挟んだら約20%減、3枚挟んだら約30減でした。

ズボンとパンツと皮膚で、コピー用紙3枚の厚さと仮定しても、汚染されたコンクリートや濡れ縁などに座ると、計測値の約70%のβ線が内部被ばくと同様な状況を作り出しています。お尻だけの被ばくではなく生殖器が被ばくするのです。学校の帰りに汚染個所に座って親の迎えを待つ習慣が被ばくの恒常化につながります。教員や子どもたちにこれまで何度も注意をしてきましたが、下ネタは変態オヤジになります。

大森さんは、岡野さんに関係しないから、「ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト」が実施してきた住民報告会は、編集の対象外だということでしたが、私たちは、報告会で上記のβ線の危険性を訴え続けています。「地上1mの放射線量が0,1μSv/hであっても地面は放射線管理区域」を具体的に知ってもらうために、小島さんとともに小冊子『南相馬市におけるホットスポット』のに作成に取り組みました。南相馬市内全域が放射線管理区域であるとした資料には、空間線量率μSv/hは出てきません。

さらに、原発20km圏内から避難している福島市や郡山市も放射線管理区域であることはわかっており、いずれ調査結果を冊子にしたいと考えています。このような取り組みをするボランティアグループは「ふくいち周辺環境放射線量モニタリングプロジェクト」だけのはずです。取り組みの必要性を広く知らしめるためにも、住民報告会の場面を取り上げていただきたいと願うものです。小島さんも同じ考えです。

大森さんには、放射能に無関心な人たちに警鐘を鳴らす取り組みを望んでいます。NHK・Eテレのささやかな良心に望みを託すわけですから、最大限のご配慮をお願い申し上げます。