柳宗悦も認めた丹波布の渋い美しさ

人々に忘れ去られようとした時期もあった丹波布だが・・・


渋さの美
茶道の心得はないので、 ものの本によるのだが、 煎茶というのは第一煎でまず甘味を味わうものらしい。 次いで第二煎で苦味、 最後の第三煎で渋味を味わうのだという。 この渋味が本当の茶の味だそうだ。 ▼甘味、 苦味、 渋味。 これは人間についてもあてはまる。 「あいつは甘い」 と言われるうちは、 人間ができていない。 苦味が感じられるようになり、 渋味が増してくると、 人としての磨きがかかり、 魅力に深さが出てくる。 ▼民芸運動を展開した柳宗悦も、 渋味を最高位に置いた。 「美に様々な相があろうとも、 その帰趣は 『渋さ』 なのです」 ( 『民藝とは何か』) と書き、 渋さこそ 「最高の美」 とたたえた。 渋さの美を工芸に求めるとき、 民芸品に行き着かざるを得ないともした。 そんな柳に、 丹波布は高く評価された。 ▼人々に忘れ去られようとした時期もあった丹波布だが、 今にしっかりと受け継がれた。 丹波布が持っている渋さの美が、 丹波布みずからを再生させ、 受難を乗り越える力になったと言えなくもない。 いっとき時代の波にのまれても、 本物は残るものだろう。 ▼とはいえ、 丹波布の復興に携わった人たちの力は見過ごせるものではない。 その最大の功労者である足立康子さんが亡くなられた。 今後は彼岸から丹波布を見守られることだろう。 ご冥福をお祈りします。(Y)

丹波新聞(丹波春秋)より 2014年02月23日

コメント:まったく、丹波布は渋いし、品のある素朴な美しさ。丹波に来られたらぜひ道の駅・青垣にある「丹波布伝承館」にお立ち寄りを。

丹波布伝承館
道の駅・あおがき