血液は食べものからできる(腸管造血説・赤血球起原説)。

千島(喜久男)は生物学の基礎を根底から否定してしまったため、彼の考え方は異端の説として、学界から閉め出され、迫害されることになったのである。

その千島説の内容を見てみよう。
1)血液(赤血球)はからだの組織に変化する。(赤血球分化説)
2)赤血球は骨髄で造られるのではなく、消化された食べものが腸の絨毛で変化したものである。血液は食べものからできる。(腸管造血説・赤血球起原説)
3)栄養不足のときや、大量の出血のあと、また病気などのときには、からだの組織から血球に逆戻りというかたちが見られる。血液は骨髄から造られるという定説は、これを見誤ったもの。(赤血球と組織の可逆分化説)
4)がん細胞は赤血球が変化してできる。からだが病気の状態のとき、悪化した赤血球が集まり溶け合ってがん細胞に変わってゆく。また炎症も、赤血球がからだのその部分に集まって変化して生じたものである。肉腫や他の腫瘍も同じである。(がん細胞の血球由来説・炎症その他病的組織の血球由来説)
5)負傷が治っていく現象も、その部分に赤血球が集まって、からだの再生と修復をするからである。(創傷治癒と再生組織と血球分化説)
6)バクテリアは親がいなくとも、有機物の腐敗、その他の状態で、その有機物を母体として自然に発生する。(バクテリアの自然発生説)
7)毛細血管の先端は開いていて、赤血球はそこから組織のすき問へ自由に出ることができる。(毛細血管の開放説)
8)からだの組織(細胞)は分裂によってのみ大きくなるというのは正しくない。細胞は細胞でないもの(赤血球)から新しく生まれ、からだは大きくなり、またその大きさを保つ。(細胞新生説)
9)バクテリアから人間にいたるまですべての生物は、「親和力または愛」という精神的なものをもつ。
10)生殖細胞(精子・卵子)は、からだの組織と別のものではなく、からだの組織のひとつである赤血球が変化したものである。(生殖細胞の体細砲由来説)
11)生物が生まれてから一生の間に、その環境によってはぐくまれたかたちや性質は、子に遺伝する。(獲得性遺伝の肯定説)
12)生物が進化してきたもっとも大切な要因は、環境に適合した強いものが生き残ったのではなく、同じ種類の生物の助け合い、または違った生物との助け合いという、共生現象によるものである。(進化要因における共生説)
13)生命は時々刻々として変化してやまない。その変化の働きは、生命や自然がその本質にゆがみをもっているからである。(生命弁証法・科学的方法論)
14)その他
以上が千島が提唱した学説、理論のおよそである。どれひとつとして、いまの科学の常識にあてはまるものはない。そして、これらの新説はほとんど千島喜久男がはじめて世界に先駆けて唱えた説なのである。
(略)
世界的な食養の大家でもある桜沢如一氏も千島説を支持した。
「パスツールの実験は、大自然を瓶や壷のなかととり違えている。そして彼は細菌の自然発生の否定に熱中しすぎて、その起源について考えることを忘れている」
桜沢はパスツールに疑問をもち、バクテリアの自然発生の可能性を直観で信じていた。それで、千島の新説に自分の考えの結論を得た気持ちで、双手をあげて賛成したのである。

出典:『よみがえる千島学説 ~間違いだらけの現代医療』 忰山紀一(かせやまきいち) なずなワールド

コメント:赤峰勝人氏の著書『ニンジンから宇宙へ』に紹介されていた千島学説を初めて知ったとき、新鮮な驚きとともに直観的に正しいと思った。その後、拙著『桜沢如一。100年の夢』の取材で赤峰氏を訪ねたとき、「なずなワールド」の売店でこの本を見つけた。
千島学説はノーベル賞ものと著者は書いているが、この説を支持する(できる)のは東洋医学系の医師がほとんどらしい。本書の副題に「間違いだらけの現代医療」とあるように、西洋医学の“常識”でこり固まった医者にはとうてい肯定することはできないのだろう。
ちなみに、千島学説を「双手をあげて賛成した」桜沢如一は、「生体内原子転換説」を唱えていたケルブランに引き合わせるため千島喜久男をパリに招いて講演会を催している。
忰山紀一氏には、一度お会いしにいこうと考えていたが、惜しくも拙著の執筆中に亡くなられた。千島学説がよみがえるのは、いつのことだろうか。

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