春はもうそこに・・・「来年の冬こそ、土鍋名人になるゾ~」

21日の夜、薪ストーブの前で本を読んでいると、書斎のほうから携帯の音がした。
音はすぐ止み、メールが入っていた。

「こんばんは~ 今テレビ2チャンネルで、土鍋のことやってますよ~」
陶芸教室の大先輩からだった。3年前から丹波市内の教室に通いはじめたが、飽き性なのに何とか持ちこたえているのは、指導が懇切丁寧な立杭の清水先生はじめ諸先輩たちがとても親切で、 美人ぞろいで和やかな雰囲気があるからだ。教室は月2回、仕事の関係で年に半分も通えていないが「いずれニューヨークで個展を!」と大法螺を吹きまくっている。NYがだめならせめて西宮市の入浴場で開きます、と。
そんなわけで、まだまだ未熟ながら昨年末に「鍋作り」を宣言したのだった。
「よかったら、土鍋の予約を受け付けますよ」と皆さんに冗談で声をかけると、
「まぁ、出来てからね」と、誰も応じてはくれない。よし! たくさん鍋をつくって、土鍋のプロになる、と息巻いたものの、この冬に出来たのはわずか1個だけ。
「大きさが中途半端ね」
「うーん、まぁ最初はこんなもんですか。一人湯豆腐用ですから・・・」
「湯気を出す蓋の穴は? 穴をあけるのを忘れたの? 」
「いやいや・・・、蓋の間に微妙な隙間があるでしょう。だから穴がなくてもだいじょうぶ」
「ふーん、ちゃんと計算して隙間をつくったわけね」
というように、みなさんからいろいろと、からかいの論評をいただいた。そして当然ながら、諸先輩方からは鍋制作の予約はゼロ(お恥ずかしながら写真で公開。これでは予約なしもお分かりかと)。
この冬は、もう鍋を作る気がなくなり、10キロ注文しておいた鍋用(耐熱)の土が余ってしまったが、気の毒にと思ったのか、何人かの先輩が少しずつ買い取ってくれた。

そんな事情で、「土鍋のことやってますよ~」とメールが来たわけだ。さっそくテレビをつけると、番組の残り時間は少なかったが、最後に「いまどきの鍋」の著者・松田美智子さんが登場して、いろいろな鍋を披露してその楽しみ方を話していた。
「やっぱり、鍋だ! 来年の冬こそ、土鍋名人になるゾ~」とひそかに決意し、さっそく本をアマゾンで注文した。

以下、『いまどきの鍋』松田美智子著(文化出版局) より

 ほわほわっと湯気の上がった、あったかいおなべ。思い浮かべただけで、誰もがほんわかと幸せで、やさしい気持ちになれます。
この本には、私の大好物から、主人好みのなべ、友人に受けのいいなべ、外でいただいて、どうしても家でも食べたくて、まねするうちにわが家流になったなべ、外国で教えてもらったなべ、その時季に必ず一度は作らずにはいられない季節限定なべ、あっという間に作れるなべ、ちょっと手をかけて作る、おもてなしなべ、高級素材を使わなくても、冷蔵庫の残り物でも、あり合せでも、工夫次第でおいしく作れる普段なべ……。たくさん、ご紹介しています。
(略)どのおなべも、この材料でなくては作れない、ということはありません。まずは、身近な食材でお試しください。そうするうちに、新しい素材の組合せ方や食べ方を発見できる、という思わぬおまけがついてくることも。おなべは創造力を養ってくれる、貴重な食べ物といえましょう。
(略)豪華寄せなべもいいものですが、少人数でおなべを囲むときには、ちょっと不つりあい。何種類も少量ずつ材料をそろえるのは大変ですし、不経済かもしれません。最近のマイブームは、素材を味わうシンプルなべ。春ならたこや貝類、冬は根菜とたら、というふうに、出盛りの素材をたっぷりと、素直にいただくおなべが気に入っています。(続く)

本書は、レシピもこまかく、食欲をさそう鍋料理の写真も載っている。
ふんふん、いいねぇ、土鍋は! 鍋の形もそれぞれ美しい! 炎と土鍋、縄文人の血がさわぐ。どうせレシピどおりにはやらないけれど、とくに「あっという間に作れる」鍋料理は、ものぐさな男の料理にもピッタリだ。