『沈黙の春』で描いた恐ろしい光景と重さなってくる。

・巨大化学メジャーの圧力と隠蔽
 常に地球環境問題にアンテナを張り巡らしてきたこの私ですら、「ネオニコチノイド」という単語は初耳だった。

これほど重大な現実を、なぜ日本のマスコミは無視するのかと賢明な方々なら憤慨するだろう。「重大な現実」だからマスコミは無視するのだ。スポンサー、政治などの圧力で、書こうとしても放送しようとしても、できないのだ。
たとえば私は『抗ガン剤で殺される』(花伝社)、『ガンで死んだら110番 愛する人は“殺された”』(五月書房)という本で、毎年三二万人死亡しているガン患者の八割、約二五万人はガンで死んだのではなく、抗ガン剤の猛毒、放射線の害作用など、ガン治療で死んでいる(いや、殺されている!)という現実を告発した。
抗ガン剤メーカーやガン学界などからの抗議はゼロ。真実を書いているからだ。
しかし、マスメディアはほぼ例外なく黙殺している。真実(本当)のことは恐ろしくて報道できない。彼らは真顔で言う。
「ネオニコチノイド」醜聞は、同様の報道管制が隠然と敷かれていることは、間違いないだろう。しかし、さすがにミツバチ大量死という異変は、マスコミも一部報道を始めた。
ところが、これをネオニコチノイドに結びつけての報道は皆無と言っていい。
そもそも二〇〇六年に、フランス最高裁が、ネオニコチノイド系農薬がミツバチ大量死の原因であると断定して、使用禁止というもっとも厳しい裁定を下しているではないか。(略)

・2~4㎞も離れた田んぼから忍び寄る
この新型農薬が使われていたのは養蜂場から2~4kmも離れた田んぼだった。
「こんなに遠くから……」
養蜂家たちは、みな一様に息をのんだ。
これまで教訓とされてきた“100mの防衛ライン”、いともやすやすと、この新型殺虫剤には突破されてしまった。
「検出限界をはるかに下回る微量の農薬が、田んぼの水やイネの花粉、あるいは空中を漂ってハチの体内に取り込まれていた」(藤原さん)
それは、人間が五感で感知できるような量ではない。匂いもない。昧もない。人間には直接影響もない。
しかし元気な羽音を一杯に響かせて中空を乱舞していた数千万万匹のミダハチたちは、次々に大地に墜ちていき――、その動きは止まった。
藤原さんは身のまわりで静かに進行している恐ろしい恐怖に気づ始めた異変だった。

・昆虫たちの累々たる屍
犠牲になったのはミツバチだけではない。その“毒”は、あらゆる生物種に及んでいた。ネオニコチノイド系の新薬が使われたところで、昆虫たちの大量死が続出していたのだ。
ミツバチどころか、生態系の頂点に君臨するスズメバチ類、在来のマルハナバチ、カリウドバチなどの有益昆虫たちが、道端という道端に累々と屍をさらしていることが、全国の養蜂家のネットワークでわかった。さらに、赤トンボの激減、ツバメの突然の不飛来、アメリカシロヒトリやモンシロチョウの大発生も体験した」(藤原さん)
私には、この光景がレイチェルーカーソン女史が『沈黙の春』で描いた恐ろしい光景と重さなってくる。
このネオニコチノイド系殺虫剤は、それまでの農薬と作用機序がまったく異なる。中枢神経系に作用して“神経を狂わせ”・・・・、死に至らしめる。
だから超々微量でも、体内に取り込まれると絶大な“効果”を発揮する。

出典:『悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド ~ ミツバチが消えた「沈黙の夏」』船瀬俊介 三五館(2008)

コメント: 数年前、丹波の養蜂家もネオニコチノイドのせいでミツバチが大量死したと怒っていた。「訴えてやる!」と。しかし状況は変わっていないようだ。
本書では、農水省の責任担当者との取材やり取りも生々しく書かれているが、のらりくらりとノレンに腕押しの回答ばかり。世界的に問題となっている農薬であり、フランスで禁止されたことさえ知らないというのには驚きを通り越して、呆れ果てる。本書で書いているようにマスコミは「○○の番人」どころか、「○○の番犬」になりさがっている?

ウィキペディアより
ネオニコチノイド
ネオニコチノイド系農薬3種は2013年12月よりEU全域で使用が原則禁止となる。日本各地でミツバチ大量死が確認されているが、何の対策も取られていない。