福島県発: 今を生きる 阿武隈山地の食後世に 季節の料理作り撮影冊子で"伝承"へ

■原発事故で避難 飯舘、浪江津島、葛尾都路、川内の住民


東京電力福島第一原発事故で避難を強いられている飯舘村、浪江町津島、葛尾村、田村市都路、川内村の住民が阿武隈山地の郷土料理を後世に残す取り組みを進めている。13日には二本松市の県男女共生センターで春と夏の料理を作り、写真に収めるなどした。今後、四季ごとの料理の作り方や料理にまつわる住民の記憶などを一冊にまとめる。
メンバーは阿武隈山地を縦断する399号国道沿いの5地域でつくる「あぶくまロマンチック街道構想推進協議会」の会員。農家や公務員、直売所の職員らで構成しており、原発事故前は農産物や加工品の直売、物産展の開催などを通して地域の魅力を発信していた。
現在は避難生活で家族がバラバラに暮らしている会員が多い。次の世代に郷土料理を引き継ぐため、平成25年1月ごろから作り方を写真付きで紹介する冊子作りに取り掛かった。これまでに「秋」「冬」「餅」をテーマにした部分が完成した。
この日は会長を務めている浪江町津島の酪農家・紺野宏さん(54)=郡山市に避難=ら12人が集まった。残る「春」「夏」をテーマに、ふきのとうの天ぷら、セリの卵とじ汁、シソ巻きなどの料理を写真撮影しながら調理した。引き続き試食会を開き、同センターを訪れた市民らに振る舞った。
今後まとめる冊子は単なる料理本とするのではなく、会員らの料理にまつわる記憶や物語も載せる。紺野さんは「記録しておかなければ消えてしまうのではないかとの危機感がある。冊子が家庭や地域の味を後世に残すきっかけになれば」と話していた。

福島民報 より 2014年2月15日 (土)