ありがたや 水汲みにゆく 雪の道

今朝は雪がおさまり、月に1度の水汲みに、△△山の麓へ。

丹波では標高の高い山だが600メートルほどしかない。その麓に村でつくった水汲み場がある。いつも滾々と水が湧き出ている。もう10年近く通っているが、水汲みの順番待ちをしたことは数えるほどで、人っ子ひとりいないのは「ありがたや」。

ありがたや △△の山の岩かげに 大師の恵み とわにあふるる

空海すなわちお大師さんの修行姿の石像がたち、取水口にある石碑にこの詠歌が刻されている。若くてふくよかな微笑をうかべた大師像の旅笠と鉢に雪がつもっている。合掌して、少しだけお賽銭を入れる。

水汲みに行くことがおっくうに思うときもあるけれど、来てみれば、岩水の流れる音だけのシンと静まるなか、おのずとさわやかな心地になる。
6つのポリタンクを満タンにするのはおよそ20分、坐禅の一坐よりは短い時間。こんな雪の日もまさに「ありがたや」のひと時であった。そして、いっぱいの水を持ち帰る道すがら、薪小屋の薪が満タンになった時と同様に、しばし長者なった気分である。

雪止みて 麓の水汲む 通い道