よみがえる 小水力発電 買い取り制で見直し機運

川の水流などを利用して電気をつくる「小水力発電」が地産地消の再生可能エネルギーとして見直されている。

大きな出力を得られず、採算性が悪いことから戦後下火になったが、再生エネ電力を電力会社が決まった価格で買い取る「固定価格買い取り制度」の導入を機に新規導入が進んでいる。

「採算とれる」
温泉地・箱根(神奈川県箱根町)にある「須雲川(すくもがわ)発電所」は、昨年8月に運転を始めたばかりだ。運営するのは、東京電力の子会社で、水力発電専門の「東京発電」(東京都台東区)。同社の大久保誠理事は「見た目は新しい施設ですが、約30年前に放棄された発電所を改修しました」と説明する。
小水力発電は、一般的に出力1000キロ・ワット以下のものをいい、同発電所の出力は190キロ・ワット。須雲川の上流から毎秒580リットルの水を鉄管を通して約42メートル下の発電所に落とし、水車を回して発電する。これで一般家庭300世帯分の電気をまかなえるという。
もともと温泉旅館が自家発電用に1954年に設置したが、老朽化で84年に廃止され、町が遊休資産として管理していた。同社は2012年10月、廃屋同然となっていた発電所を町から譲り受け、設備を更新。最新式の水車発電機を導入し、約30年ぶりに新たな小水力発電所に再生した。
同社は、12年7月に始まった固定価格買い取り制度(FIT)を利用し、発電した電気を東京電力に売る。FITは、再生エネの電気を電力会社が通常の電気料金より高い価格で買い取る制度で、太陽光や風力、小水力を含む出力3万キロ・ワット以下の「中小水力」もその対象だ。水力の買い取り価格は、出力が低いほど高く、「200キロ・ワット未満」の同発電所の場合、最高の1キロ・ワット時あたり35・7円。大久保理事は「採算はとれる」と自信を見せる。
急峻(きゅうしゅん)な山間地の多い日本には、中小水力発電に向いた場所も多い。環境省は、全国の河川や農業用水など約2万地点で、原発9基分にあたる898万キロ・ワットの開発余地があると推計。「大規模開発の必要がなく、太陽光や風力と比べても天候や時間で発電量が左右されないことも利点だ」と説明する。

地方で高い関心
FITに後押しされる形で各地で今、小水力発電導入に向けた動きが進んでいる。具体的な導入数はまだ集計されていないが、経済産業省によると、豊富な水資源を持つ地方で特に関心が高い。鹿児島、山形、富山県などは小水力発電に向いた場所を調査したり、民間企業と連携した事業を計画したりしている。
全国でも珍しい再生可能エネルギー推進条例を制定する愛知県新城市は、廃止された小水力発電の位置などを市民から情報提供を受けてデータベース化。鳥獣被害を防ぐ電気柵の電源などに活用できないか模索している。
課題もある。一つは、水量の豊富な場所は人里から離れていることが多い点。福井県の担当者は「インフラ整備に費用がかかり、自治体単独で採算がとれるまで数十年かかる」と話す。地域生活に密着した水資源は、漁業や農業など様々な「水利権」が絡み、国の許可なく開発できない場所が多いことも難点だ。

続き YOMIURI ONLINE  (2014年1月28日 読売新聞)

コメント:300世帯もまかなえるとはスゴイ。その10分の1くらいなら丹波市内にも小水力発電のできる川はありそうだが・・・