シュールリアルな夢のお告げ

枕にのせた頭の下辺りがなんとなく変な感じがして手を当ててみると、直径10センチほどもある大きな穴があいている。

「ウアッー、なんだこれは?」
穴に手をいれてみると、脳みそがいまにも飛び出しそうだった。自分の目では見えないはずなのに、白い綿あめのようだった。
「おかしいな、この間プールで泳いだのに何ともなかった。あっ、そうか、スイミング帽をかぶいっていたから脳みそが流れ出なかったんだな。よかった、よかった! でも、この穴をふさがないといけないなぁ・・・」
そんなことを考えながら朝目覚めたとき、この夢をはっきりと覚えていた。そこでカミさんにさっそく尋ねてみた。
「おはよう。ちょっと、頭の後ろにこれぐらいの穴があいていないか、見てくれない。穴から脳みそ出ていないか?」
「まだ脳みそはあったの?」とカミさんはきついジョークを言って笑いながら、子供の絵本を部屋からもってくると、
「こんな夢だったんじゃないの?」と言ってぼくに見せた。
頭のてっぺんにマツタケの菌をまくと、マツタケが生える。野菜の種を植えるとその野菜がすぐできるという、たいへんシュールな絵本だった。
「あっ、これは・・・落語にもある話だよ。究極の自産自消、便利でいいなぁ。でも、かぼちゃだけは植えたくないね。つるが繁ってたいへんだし、かぼちゃ頭にはなりたくないから・・・」

・・・というわけで、夢の続きをつらつら考えてみた。
昔からぼくの記憶力が悪いのは、夜寝ている間に頭の後ろに穴が開いて記憶という記憶が頭から漏れていたせいだ、と。今更ながらそのことに気付いたのだ。
ぼくが大好きな赤塚富士夫のまんが『天才バカボン』のパパは、2~3歳でアインシュタインの相対性原理を理解するほどの超天才児として生まれてきたが、ある日、歩いていたときに小石につまずいて転んだ瞬間、頭のなかのネジが一本外れ、ころころと溝に落ちてしまった。そのために東大を5歳くらいで卒業できるほどだったパパは、「バカダ大学」に入ることになったのだった。
『天才バカボン』のパパの生い立ちを思い出しながら、ぼくは昨夜の夢がアルツハイマーの前兆ではないことを自ら無理やり納得させた。もともと記憶力が悪いのだから、だいじょうぶだと。なんとも幸せな「夢のお告げ」であった。コレデイイノダ!