果物ばかり食べすぎると貧血や冷え性になります。

果物は野菜の代用になる?
 果物は野菜の代用になると、勘違いしてはいけません。

「家族が野菜を嫌うから代わり果物を使います」とか、「野菜の代わりに今日は果物を食べよう」というような話をよく耳にしますが、それは基本的に間違っています。果物は決してそれだけで美容食になるわけでも、ビタミンが多いわけでもありません。
とくに若い女性は、果物を美容のためによいと思って過食する傾向があるようです。果物ばかり食べすぎると貧血や冷え性になります。果物はカリウムが多く、カルシウムが少ないために細胞が弾力を失ってゆるんでしまうからです。

いくつかの果物と大根の葉、小松菜とを比較すると、ビタミンA一つを例にとっても圧倒的に果物のほうが少ないことが分かります。それでも柑橘類とビワは、果物のなかではビタミンAを多く含みますが、カルシウムなどは全般に少なく、ビタミンB1や、多いと思われているビタミンCもそれほどではありません。ですから、食費をむやみに高い果物にかけるよりは、むしろ緑黄色野菜や根菜類を充分に食べましょう。果物は、食べるべき野菜を食べてから少しだけ摂ればよいのです。食材を買うときに自分の嗜好に流されていないか、きちんとチェックしてみましょう。
また、小松菜や大根の葉に劣らない栄養を備えているのが、うぐいす菜、ニラ、パセリ、春菊、よめな、たんぽぽなどです。柿の葉やビワの葉は、実よりもじつは葉のほうに栄養があります。これらは乾燥してお茶にします。

みかんやりんごは秋に収穫し、半年くらい保存して食べることになります。時間が経つほど栄養分は少なくなりますし、もともとミネラルやビタミンをたくさん含むわけではありません。また輸入ものの果物は、腐らないように防腐剤をたくさん使って旅をして運ばれてきたものです。
青いうちに収穫して輸出されるバナナや、いつまでも腐らないブレープフルーツなど、いずれにしても不自然な状態です。食品成分表で確認しても「果物は野菜の代わりにならない」ことを、はっきりと念頭に置くべきではないでしょうか。

出典: 『あなたもできる「食育」』 東城百合子・五来純 アートヴィレッジ(2006)

コメント:東城百合子といえば全国にファンが多い食育の先駆者のひとり、五来純は息子。本書は家庭でできる「食育」をわかりやすく説いている。