「自分が育った釜石で、いつかレストランを出したい」

岩手県内20市町村で12日、成人式が行われた。沿岸部では東日本大震災で同級生を亡くした新成人も出席。

「友人たちの分まで頑張りたい」と復興への思いを新たにした。県教育委員会によると、県内の新成人は1万2528人(男6330人、女6198人)。

「自分が育った釜石で、いつかレストランを出したい」
新成人292人が参加した釜石市の成人式では、同市出身で東京都豊島区在住の小林佑実さん(20)が壇上に立ち、夢を語った。
小林さんは、釜石港に近い同市東前町で漁師の家に育った。東日本大震災の津波で実家は全壊し、両親は仮設住宅に暮らす。
釜石高校卒業後、「都会に出たい」と千葉県内に就職した小林さん。だが帰省する度、気持ちは揺れた。津波で荒れた市中心部にいち早く建設されたのは、全国チェーンの居酒屋やコンビニ店ばかり。地場の豊富な食材を使い、地元の人が経営する飲食店は少ないように感じた。
「津波で流されてしまった街を取り戻し、釜石の人が集まれるところを作りたい。魚を使った地産地消のお店を出したい」。入社後9か月で退職し、都内のイタリアンレストランで修業を始めた。
アパレル関係のアルバイトにも励み、貯金を作り、3月からはニュージーランドに留学する。英語を学んだ後、現地のレストランで料理の腕を磨きたいという。

 この日の成人式で、市民憲章を朗読するため壇上に立った小林さん。前を見据えて「自分の思いは、震災に遭った故郷釜石の復興のため、大きなパワーになると信じています」と力強い声を会場に響かせた。

YOMIUR IONLINE(2014年1月13日17時18分 読売新聞)

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