年の瀬や耳鳴りのする里の暮れ

今日は大掃除の仕上げで、吹き抜け天井の松の梁を拭くのが年中行事。

31日の午後から1日昼頃まで、野上野1組・組長!の任務として熊野神社の初詣のお世話にあたる。そこでこの年中行事は例年より1日早めすることにした。
朝から雨が降りそうな雪が舞いそうな天候で、どの家も正月準備などで忙しいのか、里山はし~んと静まっている。風の音も車の音も、人の声も小鳥の声もしない、耳鳴りがするほどの静かさは何とも味わいがある。
曇天の空を見上げながら、ふと・・・口をつく。

年の瀬や 耳鳴りのする しじまかな

耳鳴りとしじまでは、意味が重なるなぁ・・・と思いながら、
声に出してカミさんに聞かせると「耳鳴り・・・? ああ・・、サウンド・オブ・サイレンスということね。耳障りな言葉で、いいイメージじゃないわね」と言った。
「年の瀬やサウンド・オブ・サイレンス・・・か。俳句にならないよ。年の瀬やしじまを破るオナラかな、ってのは?」
「爆音かな!」
「臭いかな」
そんな冗談を言い合いながら、この日のためにしか使わない長い梯子を用意して、そろりそろりと梯子をのぼる。なにしろ天井の高さは6メートルほどあり、梁にかけた梯子がズレて落ちそうになったことも何度かあったので、慎重にならざるをえない。移動のたびに水平器で計って梯子を梁に乗せないとすぐズレるので危ないのだ。
この松の梁は、業者に案内された山のなかで自ら選んだ建築材なので一入愛着がある。梁に沿って梯子を何度も移動させながら梁につもった1年の埃をぞうきんで拭いていく。1年に1回だから今年で10回目だが、慣れるどころか運動神経の衰えを感じて年々高所恐怖症になっている。2時間近くかかって作業を終えたころ、霧のような小雨まじりに霙が混じりはじめていた。春をいちばんに告げるさんしゅうの枝にはりつく小さな赤い実が雨に濡れて鮮やかだ。
やがて夕暮れになり、里山は相変わらずしんと鎮まっている。

年の瀬や 高き梢に 柿二つ
年の瀬や 耳鳴りのする 里の暮れ

「しじま」より「里の暮れ」ほうがいいか。
カミさんの作業も終わったころすっかり暮れて、いつのまにか雪が舞っていた。
6時半予定通り、吹雪く中を、いざ「福知山温泉」へ。田舎暮らしは極楽なり・・

初雪や 里山暮れて 湯の烟