10年を迎えた「有機JAS制度、規格」の見直し

農林水産省主催「有機JAS規格に関する意見交換会」
4月23日(於 大阪合同庁舎)出席=橋本慎司

 平成12年に制定された有機JAS制度は今年で10年目を向かえ、規格の見直しが予定されている。日本では1970年代から始まった有機農業も、当初は提携運動が中心で生産者と消費者の「顔の見える」関係だけだった。徐々に広がるにつれ、まがいものや不正表示が出回り、市場での混乱を解決する目的で有機JAS制度を制定する必要に迫られた。欧米での有機農業の広がりが各国での認証制度の導入と関係があったため、日本でも有機JAS制度の導入が有機農業の普及に役に立つように考えられたが、一般消費者への有機JASマークの認識は低いのが現状である。

 「有機JASマーク」知らない人は全体の56.1%

 農水省の20年度の消費者2000人の対象アンケート調査によれば、「有機JASマーク」知らない人は全体の56.1%、「知っているが内容(意味)は分からない」人が34.8%、「有機JASマークを知っているし、内容も理解している」人はわずか9.3%しかないことが分かった。
  市場、生協、自然食系の通販などでも、「減農薬」、「自然」、「環境保全」などのラベルのついた、いわいる「農薬を減らし、安全で環境にやさしい。」イメージのある農産物が大量に流通しており、有機農産物とそれ以外の減農薬農産物の違い、意味を理解してもらうための有機JASマークであるが、実態としては有機JASマークの理解が10年たっても少しも進んでおらず、コストをかけて認証マークを取得しても、生産者にも効果がうすいのがわかる。その為か、国内を含め、有機JASの認定事業者(生産者、加工業者、小分け)の数が近年、頭打ち状態にある。国内の認定事業者は平成14年には2000件を超え、平成17年頃まで増え続けたが、平成18年頃、4000件を超えたころから、伸び悩み続け、平成21年では4000件を切り、減少している。
   消費者側の有機農産物を購入している人の80%弱、購入しない人の70%強が「有機農産物は高い。」と返答している。また購入している人の40%弱が「購入したいが品ぞろえがない。」、購入していない人の25%が「どこで購入できるかわからない。」と答えている。一方、生産者側ではほぼ半数が今後、有機農業に取り組んでみたいと回答しているが、取り組むためには70%弱が「生産コストに見合う販路の確保」が必要と考えている。また同じく70%弱の生産者が有機農業をするには「収量、品質を確保できる技術の確立」が必要と考えている。